【中1美術】漢字のレタリングの描き方!「文字で楽しく伝える」取り組み方とは?
多くの中学校で「漢字のレタリング」は中学1年生で扱われています。
デザインの授業でポスターを扱う際に、漢字のレタリングは事前に学習する必要があります。
日本の文化ともいえる漫画も10年以上前から教科書に載っていますが、「オノマトペ」の表現のつながりとして扱う美術の先生は多いと思います。
漢字のレタリングはおそらく、ほとんどの中学1年生が学習するのではないでしょうか。
私も中1の頃に、「永」の明朝体のレタリングをしたのを覚えています。
え!そんな昔から扱われている人気題材なんだぴね!
この記事では中学1年生の生徒さんや保護者の方、免許外で美術を教えることになった先生、教育実習生など、美術のレタリングについて初めて知りたい方におすすめの内容になっています。
この記事で学習がしやすくなりますように。
美術教師歴11年。レタリングは毎年中1の授業で実践しています。全国のレタリングに悩む中学生、上手くなりたい中学生を応援しています。
【中学1美術】漢字のレタリングの描き方!
漢字のレタリングの練習をする際に「永」を明朝体やゴシック体で描くことが多いと思います。
「永」には基本的な点画や筆遣いが含まれていて、この「永」の漢字を書くだけで色々と学習できちゃうお得な漢字なんです。
だから永をみんなで描くんだぴね~。
- 横画が細く、縦画が太い
- 横画や曲がり角に三角形の山形(うろこ)をつける
- はねたり、はらったり筆でかいた感じを様式化している
明朝体とゴシック体ってどっちが簡単だぴか?
よく聞かれるんだけど、明朝体の方が特徴がはっきりしているから、描きやすいと思うよ!
明朝体の描き方について詳しく知りたい方はコチラ👇をご覧ください。
レタリングとは?
レタリングとはそもそも何のことなのか説明したいと思います。
身の回りにはたくさんの文字のデザインがあります。
なんでたくさんあるんだぴ?別に意味が分かれば最悪1種類でいいぴよ。
もし、文字の種類が1種類だけしかなかったとしたら?
意味は通じると思いますが、おそらく読みずらいと思います。
例えばTシャツのロゴがみんな同じ文字のデザインだったら?
気持ちわるいというか、面白くないですよね。
レタリングとは考えや思いを相手に伝えようとする視覚デザインです。
様々な目的に応じて、美しく、読みやすい文字のデザインにすることをレタリングといいます。
行為もレタリングといいますし、文字自体もレタリングと言っています。
漢字のレタリングの描き方
文字で楽しく伝えるデザインをする前におそらく漢字のレタリングを描くと思います。
明朝体かゴシック体のどちらかか、両方の練習をする学校が多いのではないでしょうか。
「永」を書くとしたら、15~30分程度で取り組んでみてください。
できましたぴ~~
15分くらいでできたと言って見せてくれる生徒さんは多いのですが…
一発OKを出したことはクラスで1人いるかいないかでしょうか…(笑)
- 本当にウロコの大きさはその割合でいいのか
- はらいの部分はなめらかに変化しているのか
- 見本にある隙間の形も同じか…
などなど…。できたら、他人に見てもらうのがいいと思います。
はっきりと言ってくれる人…例えば家族でしょうか?
「文字で楽しく伝える」取り組み方とは?
題材名は教科書によって若干違うかと思います。「文字で楽しく伝える」「絵文字」「文字のデザイン」「楽しく伝える文字のデザイン」などなど・・・。
展示会などを見ていると、漢字の意味を深めるイラストを入れてデザインを作り、ポスターカラーやアクリル絵の具で塗っている作品が割と多いように感じます。
変形はしないで漢字の意味を深める配色だけしたり、自分の名前の漢字をレタリングし、スケッチブックに描くなど…
美術の先生のアレンジや学校の実態に合わせて色々と違うと思います。
今回は教科書に合わせて、漢字の意味を深めるイラスト加え、ポスターカラーで塗ることを想定した内容を載せていきたいと思います。
何のために学習するのか
何のために学習するのか。
教科書の目標を見てみたいと思います。
「文字で楽しく伝える」目標
- 伝える相手と内容を考えて発想を広げ、形や色を工夫して文字をデザインする。
- デザインされた文字を鑑賞して、作者の表現の意図や工夫を感じ取る。
「文字で楽しく伝える」の題材はデザインの授業になります。
ただ考えればOK!ただ作ればOK!というわけではありません。
そこには「相手」が存在し、自分が生み出したデザインがきちんと「相手」に伝わるかが大切なポイントとなります。
相手に伝えるにはどのようなアイデア(発想・構想)、どのように描いたら(技能)いいのかを考えながら表現することになります。
※学校の美術の先生の考え方を優先してくださいね。
候補となるレタリングの漢字を挙げよう
では候補となる漢字を10~20個ほど挙げてみましょう。
そんなに浮かばないぴ~
もう、直観でいいんで、とりあえず浮かんだ漢字を20個あげてみてください。
※10画以上のものがおすすめ。画数が少ないと絵を入れたとに何の漢字が分からないくなったり、難易度がちょっと優しすぎるので。
作品を作る上で、取捨選択はとても大切です。
後で選べばいい話なんです。
選択肢がそもそも少ないとそれだけ発想の幅は狭くなります。
結構こういう生徒さん多いのですが…一発でいいものを作ろうとしている!
これは無理だと思っていただいて、とりあえず40点くらいのものでいいから作る!
そこから試行錯誤してどんどんいいものにしていく方がいいかと思います。
せんせぇ~。簡単な漢字って何ですか?
よく聞かれるんですが、発想の意味で簡単なのが、名前を表す漢字です。
これに絵を加えるとしたら?
だれもがパッと浮かぶものではありきたりだし、逆に個人的すぎても「相手」に伝わらないし。
その塩梅が面白いところでもあり、難しいところでもあり楽しいところです。
例え、名称を表す漢字でも、絵のデザインが工夫されていれば簡単とは言えないし。
この発想で考えると、名称以外の漢字は発想面で難易度があがります。
名称よりも限定されず、人によってイメージが異なります。
「文字で楽しく伝える」の作品の方向性を決めるとても大切な段階です。
せっかく何時間もかけて作るので、自分の気に入った漢字を見つけてみてください。
漢字にどんな絵を加えるのか
選んだ漢字にどんな絵を加えると「漢字の意味が深まるのか」を考えましょう。
例えば、晴という漢字に太陽を加えるのは…
なんだか、そのままだぴね。
漢字の成り立ちで「日」は「太陽」の形からできています(象形文字)。
それを戻してあげても、「うん、そうだよね」ぐらいの印象でしょうか。
例えば「腸」の「日」を「太陽」を描き入れるとします。
えっと。えっと…。なんだぴか?
ただ変えればいいってものではなく「漢字の意味が深まる」ものは何かを考えることが大切です。
こう考えるとおすすめ
選んだ漢字→「動」
マインドマップ(イメージマップ)を描きます。
15個以上書き出してみましょう。
この中から、漢字の意味を深めるものを1~2つ選びます。
しげは、ロボットを選ぼうぴかな。
どれにしようか選ぶのも楽しいですね。
もし、このマインドマップが広がらない場合は、漢字を変えましょう。
取捨選択は美術の活動で大切です。
ポスターカラーの使い方
授業でレタリングの下描きが終わったら、色塗りをしていきます。
中学で使う絵の具としてはポスターカラーかアクリル絵の具のどちらかだと思います。
私は翌週も絵の具が使えるポスターカラー派ですが、ポスターカラーは乾いても水に溶ける性質があります。
石やプラスチックには描けない点から、アクリル絵の具を選ぶ美術の先生も多いかと思います。
ポスターカラーのコツ
- 絵の具の固さ(溶けたチョコレートぐらい)までに必ず調整する
- 輪郭は面相筆(細筆)、広い面や輪郭線の中は平筆で塗る
- 筆先が見えるように画用紙を回しながら塗る
詳しくまとめている記事がありますので、よかったらご覧ください。
まとめ
漢字は中国から伝わり、日本独自の変化を遂げ今に至ります。
当たり前のように身の回りにある漢字を、この中1「文字で楽しく伝える」を通して、その魅力に気づけたらいいなと思っています。
文字のレタリングも豊富すぎて、意識してその洗練された形や色に着目することはないと思います。
私たちの身の回りにある文字のデザインは色々なデザイナーさんが時間をかけて生み出したものです。
そんな文字のデザインの奥深さや、自分で作ることの楽しさに気付いてくれたらいいなと思っています。
またこの題材を通して「相手に伝える」ことの難しさと同時に楽しさも知ってもらえたらと思っています。
相手に気持ちを伝えるのは言葉だけじゃない。
逆に言葉では伝わらないことがこの漢字のレタリングの題材には含まれていると思います。
そんなデザインの大切な要素を中1で学んでもらい、美術の世界に没頭してくれたらな~と思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
それでは「【中学1美術】漢字のレタリングの描き方!「文字で楽しく伝える」取り組み方とは?」はここまで!
漢字のレタリング制作に少しでも役に立てたら嬉しいです。