公立中学で不登校になったらどうする?不登校になったその後はどうなる?
現役公立中学校教師しぃの実です。教職歴10年。4歳児のママです。不登校で悩んでいるお子さんや保護者の方へ、何かお役に立てればと思い、現場での経験と意見を交えてまとめたいと思います。
公立中学で不登校になったらどうする?
自分の子供が学校へ行くのを渋るようになり、お休みが続き、そして不登校へ…。
このまま我が子はどうなってしまうのだろうか?
そんな不安で胸がいっぱいだと思います。
学校に行かせたいけど、子供は嫌がりどうしたらいいのかわからず悩んでいる保護者の方や、中学生にぜひとも読んでもらいたい記事になっています。
不登校になっても、学校の教室に行かなくても出席扱いにもなるし、教室に行くことだけがすべてじゃない!
実は色々な学ぶ手段があることを知って欲しいと思います。
不登校になったから、高校に受験できないとか、将来終わったなど決して考えないで欲しいと思います。
この記事を読んで少しでも前向きになれたらいいなと思っています。
不登校の定義とは?
不登校の定義は何らかの心理的な、情緒的、身体的、社会的要因により生徒が30日以上出席できないことを言います。
この場合、病気や家庭の事情で欠席している場合は不登校になりません。
不登校の原因はなんだろう?
文科省は不登校の原因を「学校に係ること」「家庭に係ること」「本人に係ること」の3つに分類し、全国の公立中学校にアンケートを取っています。
その結果不登校になる最も大きい原因は「本人に係ること」という結果を出しています。
でも、無気力や不安になってしまった原因として、例えば「失敗を学校で責められた」「頑張ったのにテストの点が伸び悩み、親に叱られた」ということがきかっけだったかもしれません。
そう思うと、不登校の原因は単に「本人に係ること」ではなく、学校、家庭、本人が関わり合い、生じたのではないかと思います。
そして、何が原因だったかよりも、これからどうするかの方がとても大切だと思います。
不登校でも登校になる?タッチ登校など様々なパターン
実は教室に入って授業を受けなければ欠席になるというわけではありません。
出席に関しては学校長が判断し、出席にするかを決めることができます。
多くの学校では生徒の努力を考え、出席になることが多いですし、一般的に出席になることがほとんどの場合もご紹介します。
教室に入れないから学校に行けない。
といったような0か100かの考えではなく、ちょっとだけ行くでもOK!
教室じゃなくても大丈夫なんです。
校門タッチでも出席です。
まずはそこを知っていただければと思います。
保健室登校
教室に入れない場合、保健室に登校することができます。
ですが、保健室には体調不良の生徒がやってくる場所でもあるので、養護教諭が対応するのが難しい場合もあります。
不登校になってしまったお子さんにもよりますが、体調不良者だけでなく保健委員の生徒がくるなど、普通に生徒の出入りがあることを頭に入れておいてください。
もし「校内適応指導教室」があれば、そちらを希望するのがベストだと思います。
校内適応指導教室
校内に不登校生徒の居場所として設置し、教室復帰や社会的自立に向けて支援を行う場所です。
適応指導教室専門の先生が出勤してくれる場合もあり、学習の支援もしてくれます。
学校にもよると思いますが、1日というよりも半日のことが多いと思います。
校内適応指導教室は教室復帰を目的にしていたり、長期的な利用ができるかどうかは学校の先生に相談してみてください。
校外適応指導教室
学校に行くことも難しい場合は、校外適応指導教室を利用することができます。
ですが、自治体によっては予算的な関係で校外適応指導教室が不足している場所も多いようです。
学習だけでなく様々な体験を行ったり、在籍している学校と連携を取ってくれるので、非常によい支援だと思います。
フリースクールと違い、無料で通うことができるので、もし通える範囲にあるならぜひ検討してみてください。
通級指導教室
学校には「通級指導教室」を設置している学校があります。
週に8時間以内だけ通級指導教室がある学校へ行き支援を受けることができます。
自分が通っていない学校に行くことができます。
通級指導教室は軽度の知的障害や情緒障害の生徒を対象としていて、誰でも入れるわけではなく、専門家が通級が必要かどうか判断します。
約20%の学校に設置されています。お近くに設置している学校があるか調べてみてください。
chromebookによるリモート授業
chromebookが一人一台の生徒が使用できるようになっています。
しかも持ち帰りも希望すればできるはずです。
学校によっては、授業の様子をmeetなどの機能でリアルタイムで動画を別室で視聴し授業を受けることができます。
自宅で参加したり、学校の別室で参加したり様々なケースが考えられると思います。
しかし学校によっては対応が難しい場合もありますが、対応してもらえるかぜひ聞いてみてください。
自宅での参加で出席になるかどうかも併せて相談してください。
フリースクール
上記のすべてが難しい場合、民間のフリースクールという手もあります。
様々なタイプがあり、専門家がサポートするタイプ、医療機関と連携するタイプ、自宅に来てくれるタイプなど様々あり、お子さんの状態に合わせて選択することができます。
ですが、費用がかかりますので、事前によく調べてみてください。
オンライン家庭教師
オンライン家庭教師は自宅にいながら家庭教師と同じ指導を受けらるサービスです。
パソコンとマイクが基本だと思いますが、中にはパソコンを貸してくれたり、タブレットやスマホで受講できるサービスもあります。
しかし、上記と違ってオンライン家庭教師が出席扱いになるかは学校と要相談です。
あまり前例がないので、契約する前に担任の先生や学年主任に相談してから検討してみてください。
公立中学で子供が不登校になったら親はどうする?
集団生活が苦手な子は必ずいます。
苦手なことは人それぞれあって、たまたま集団生活が苦手なだけなのかなと思います。
どの程度登校刺激をしたらいいのか非常に難しいラインだと思います。
そういう時こそ、専門機関や学校と連絡を取り合い、保護者の方の中で、複数選択肢を用意し、子供の状態に合わせて提示できるといいのかなと思います。
親は子供を見て育ちます。
大丈夫だよ!何とかなるからと子供をぜひ安心させてあげてください。
中学生は一番悩む時期です。
親は子供に対してどのように接したらよいのかまとめていきたいと思います。
親は不登校になった子供を責めないで
不登校の生徒は年々増えています。
28人に1人という割合で、決して珍しいことではありません。
うちの子が不登校で恥ずかしい。なんて決して思わないでくださいね。
一番苦しいのはお子さんだと思います。
ぜひ保護者の皆さんにお願いしたいことがあります。
それは、子供と日々の会話を大切にして欲しいといことです。
たわいもない会話かもしれませんが、実は重要です。
自分が発したことを親が受け止めてくれるのかな?と子供はきっと思っているでしょう。
どうして自分は学校に行けなくなっちゃたのかな?
自分てダメな人間なのかな?
口にはしないけど、どこかで自分を責めているかもしれません。
文科省のデータによると、困ったことがあっても相談できないという結果がでています。
日々の会話を受け止めてあげることを大切に、子供を安心させてあげてください。
親は子供に教育の機会を親は与えてあげて
不登校で一番心配なのは子供の学びが止まってしまうことです。
学校では多くのことを学べます。
何も手を打たなければ、家ではほとんど学ぶことができません。
子供は不登校になり、どうしたらいいんだろうときっと悩んでいると思います。
ましてや学校の教室に行く以外に方法があることをまったく知らないと思います。
保護者の方がどんな方法があるのか調べ、子供と相談しながら、子供にあった学習の場を確保してあげてほしいと思います。
不登校になったその後の人生はどうなる?
まず最初に考えるのが「受験」ではないでしょうか。
不登校になってしまった場合、受験は果たしてできるのか。
結論から言えばできますが、一般の生徒とは違ってきます。
それでは高校に送られる調査書、進学先について細かく説明したいと思います。
受験生だけど不登校の場合どうしたらいいのかな?
できれば中学3年生には1学期から出席できるのがベストだと思います。
そのほうが選択肢が増えるでしょう。
入試では調査書と学力試験があるところがほとんどです。
調査書を出さない学校もあると思いますが、ご希望の学校があれば一度ホームページをみたり、学校の先生に聞いてみてください。
高校に送られる調査書とはどんなことが書かれるのか説明したいと思います。
調査書になどんなことが載るの?
調査書の形式は都道府県によって形式が違います。
ですが、ネット上に公開していますので、簡単に確認することができます。
では、大体の調査書に載っている内容について説明したいと思います。
調査書記載事項例
- 9科の評定
- 出席日数
- 資格や表彰関係の成績
9科の評定
全て欠席だった場合もちろんオール1になります。
お住いの地域の高校によってかなり難易度は変わりますので、1年生でも2年生でも担任の先生の面談で不登校と受験について相談してみるといいと思います。
3年生であれば1学期ほとんどすべて出席でき、テストも受け、提出物が出せたなら、行ける可能性のある高校は何校かでてくるかもしれません。
出席日数
出席日数は1年生から3年生のすべてを載せる都道府県もあれいば、3年生だけの場合もあります。
1,2年生で不登校でも3年生で欠席回数が減っている場合は、高校の先生は前向きに見てくれる方が多いように感じます。
やはり高校の先生としては、高校に入学したらやめてほしくないので、この子なら入学しても大丈夫かなと思ってもらえることが大切だと思います。
資格や表彰関係の成績
学力試験をやらない学校での入試の場合、資格や表彰関係での資料を判断の材料に使う場合があります。
英検、漢検、部活動での記録、ボランティア活動などです。
学校で取得した以外の資格も載せることができます。
調査書を作成する際に担任の先生から聞き取りやアンケートがあると思いますので、正確にもれなく書くようにしましょう。
不登校で受験できる学校はどんな学校があるのかな?
希望があればどんな学校でも受験することができます。
ですが、チャレンジで受けるのはあまりおすすめできません。
目標をもって勉強できるからいいじゃないかと思われると思います。
やはり受験する時間がかかったり、費用がかかったり、予想はしていても、落ちてしまったときのショックは大きく、意外とその後に響いたりすることがあります。
進路希望はよくその先を考え、悔いのないように選択したいですね。
では、進学先にはどんな学校があるのか説明したいと思います。
中学校卒業後の進路先
- 公立高等学校
- 私立高等学校
- 専修学校
- 特別支援学校
- 民間教育施設(サポート校、フリースクール、補習校)
- 高等専門学校(高専)
公立高等学校
公立高等学校では、全日制、定時制(夜間、昼間)、通信制があります。
不登校の生徒は定時制を受験する生徒もいます。
定時制を設置していない学校もあるので、一度調べてみてください。
夜間定時がイメージとして強いかもしれませんが、昼間定時もあります。
通信制とは、基本的に家で勉強をし課題を提出して単位を取得していくスタイルになります。
自力で勉強できる生徒には向いていると思います。
費用の面でお話すると、公立高校は安く済むことがメリットだと思います。
どのようなサポートをしているかは、必ず体験入学をして、親子で必ず見てください。
私立高等学校
私立高校は独自の方針で教育をしていたり、設備も充実しています。
学費や施設利用費などが高いというイメージが高いと思いますが、多くの生徒さんが補助金をもらっています。
保護者の方の年収で補助金の金額が決まりますので、一度確認されると思っていたよりも学費が安かったというパターンもあるかもしれません。
専修学校
専修学校は専門的な勉強と高校の卒業の資格が取れるという学校です。
高校ではあまり設置されていない特徴的なコースもあり、不登校の生徒さんの中には、自分の趣味や将来の夢を考え、専修学校を選ぶ人もいました。
専門的な勉強をしていくこともあり、学費に関しては一度お調べください。
民間教育施設(サポート校、フリースクール)
サポート校とは通信制の学校の学習をサポートする民間の教育機関になっています。
やはり自力で学習するのはなかなか難しいため、サポート校へ行く不登校の生徒さんはいます。
フリースクールは中学卒業生向けは少し少なくなります。
フリースクールでは、高校の資格が取れるところをおすすめします。
まとめ
学校に行かないと人生が終わりだなんてこと決してありません。
授業の受け方は、教室に座り授業を受けるだけではありません。
しかも、学校以外に学ぶ場所はあります。
不登校になったらその後の道が断たれてしまうような感じがするかもしれません。
実際には不登校であっても選択肢はたくさんあります。
お子さんの大切な勉強する機会や、時間をぜひ大切にして欲しいので、色々調べてみて、こういうのはどうですか?と学校の先生に相談できるといいかもしれませんね。
なかなか思い通りにいかず悩む時もあるかもしれません。
ですが、いつか「あの時の経験が今につながっているね!」と前向きに言える日がきっとくると思います。
努力をやめなければ、必ずいつか報われると思います。
では「公立中学で不登校になったらどうする?不登校になったその後はどうなる?」をおしまいにしたいと思います。
この記事で少しでもお力になれれば幸いです。