【中学生】風景画の描き方!美術部におすすめ!遠近法の描き方とは?
風景画となると描く対象が大きくて、広いため描く難易度があがります。
目に見えているそのままを描けばいいと言われても…どうやって描いたらいいの?
そもそも、どこから描いていいのやら…
小学校ではほとんど風景画の描き方は学習してこなかったのではないでしょうか?
風景画の描き方を知るだけで、格段に風景画が描きやすくなります。
中学生の授業で扱う知識だけで十分魅力的な風景画は描けます。
今回、風景画を描く上で必ずしておいて欲しい風景画の描き方の流れや遠近法をまとめています。
技術や技法だけでなく、風景画を描く上で大切にして欲しい心構えもまとめています。
普段私が中学の授業で教えている内容を風景画の視点でまとめています。
風景画に挑戦したい初心者の方、スキルアップをしたい美術部、風景画をもっと上達させたい方におすすめの内容です。
せっかく絵を描くのだから、楽しく価値のある風景画になってくれたらいいなと思っています。
現役美術教師11年目のしぃの実です。小~中学校と高校の美術の免許あり。美術部で写生大会の指導と審査員をしていました。
【中学生】風景画の描き方!
人の心を動かす風景画になるかどうかは、実は描く前から、おおよそ決まっています。
風景画は心のある人間が描いていますので、描く人(作者)がどんな気持ちでその風景画に臨んでいるかで、結構違います。
風景画って何となく目の前の風景をリアルに描けばいいんじゃないぴか?
魅力的な風景画にするには作者自身がどんな魅力を見つけ、どう画面に配置しているかが、かなり重要になってきます。
どんなに描く対象(モチーフ)が面白くても、どう描くかが明確ではないと、魅力は半減してしまします。
では、どの様に風景画を描いていったらいいのかまとめたいと思います。
魅力的な構図を描こう
構図はとても奥が深く、作品の良し悪しを決めるとても重要な要素です。
絵を描く上で大切なことは「何を描きたいのか」を明確にすることです。
美術の授業ではこれを「主題(テーマ)」と言ってます。
「わ!いいな」と思う作品には主題があります。
風景画を描くときに「自分が魅力を感じたところ」「描きたいと思ったところ」を相手に伝わるように、どうしたら一番魅力が表現できるかを考えます。
絵は自由に描くことができます。
なので、重要なところは大きく描いてもOKですが、写実的な表現を重視するなら、色彩による差をつけることもできますね。
絵を描く上で取り入れたい視点に「構成美」があります。
構成美は風景画だけでなく、デザインの作品でも大活躍する視点です。
構成美にはシンメトリー、リピテーション、アクセント、リズム、グラデーション、コントラスト、バランス、ムーブメントなどが中学の資料集に載っていると思います。
また記事にまとめたいと思いますので、ご紹介までとしたいと思います。
完成までの流れを知ろう
写生大会などで風景画を描く際に、たっぷりと時間が取れるなら、できるだけよく観察して、風景が見れるといいですね。
風景画で大切なのは「あなたが魅力を感じたところ」です。
純粋な気持ちでお散歩して、色々な発見があるといいですね。
「手前から奥まで続くコスモスがきれいだな。この秋の空気を描きたいな」
「とても暑いけど、その暑さを遮る木の陰を描きたいな」
絵を描く際に視覚的なことだけでなく「暑いのかな?寒いのかな?などの気温」「どんな匂いがするのかな?」「その場の空気」そんなあなた自身が感じたことが表現できると、見た人の心に訴えかける作品になるでしょう。
描きたいことろが見つかったら、さらに細かく構図を考えます。
風景画で構図を考える上で役に立つのが「デスケル」です。
目で見るとたくさん見えすぎているので、四角いデスケルの枠で見たときに限られた画用紙の枠の中にどう描いたらいいのかがより明確になります。
構図が決まったら、次は下描きを描きます。
時間制限がある場合は下描きは軽く済ませるのがおすすめです。
例えば6時間で描き上げるとしたら下描きの時間は30分~1時間以内がいいと思います。
その後色を塗りますが、効率よく塗るには「後ろから順番に塗って」いきましょう。
時間があるなら、自分が特に魅力を感じたところから塗ってもOKです。
そうすると、だんだん意欲が続かなくなって、全体的に手数の差がでると思いますが、その手数の差がその人の優先順位にもなると思います。
絵は自由にどこから描いても本来はいいんです。
ただ、時間内に仕上げたいときは後ろから塗り、全体のバランスを見ながら近景に進むにつれはっきりと描いていくと遠近感が表現できます。
【中学生】美術部におすすめ!遠近法の描き方とは?
風景画を描く上で必ず理解したいのが遠近法です。
見て、フィーリングで何となく描ける人もいますが、ある程度まで来ると限界があると思います。
遠近法とは目の見え方を図法にしたものです。
奥行きのある風景画を描きたい場合、実際の目の見え方を再現してあげればいいのです。
でも、どう見えているんだろう・・・?
風景画を描く上で最低限、知っていて欲しい「線遠近法」「重なりによる遠近法」「空気遠近法」を紹介したいと思います。
線遠近法を知ろう
中学で線遠近法を学習する人もいるかと思います。
線遠近法とは「廊下を歩いていて遠くを見ると、壁、天井、床が段々とすぼまって見える」見え方です。
また、1つにすぼまる場合2つにすぼまる場合、3つにすぼまる場合とあります。(4つはありません)
この遠近法を一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法と言います。
👇一点透視図法
👇二点透視図法
👇三点透視図法
風景画を描く上で一点透視図法がよく使うので、丁寧に紹介したいと思います。
一点透視図法の描き
建物を描く際には必ず必要になる知識です。
重なりによる遠近法、空気遠近法を知ろう
それでは2つの絵をみて、AとBどちらが遠近感を感じますか?
多くの人はAと答えると思います。
なぜなら、丸と丸が重なって、前後関係が明確だからです。
重なりがない場合は、どちらが前か判断しづらくなります。
このように物は重ねた方が遠近感を感じやすく、重なった場合、前にあるものの方が前に見える性質があります。
当たり前のことですが意識するだけで、風景画の描き方が変わると思います。
遠くの山を見た場合、遠くの山と近くの山はどう違いますか?
遠くの山の方が白っぽく見えると思います。(彩度が低い)
色を塗る際、遠くにあるものは色を薄く(水を多く)したり、白の量を多くしてあげると遠近感は表現しやすくなります。
まとめ
風景画を描くには技術や描き方が存在します。
目の見え方を再現した遠近法ですが、一番は「作者が何を表現したいか」です。
遠近法が違っていても、人の心を動かす作品はたくさんあります。
目の前のものを正確に映し出すことは写真ができます。
風景画を描くあなた自身の心は一体何を感じているのかという「自分自身のフィルター」こそ大切なことだと思います。
中学生になると客観的に物事が判断できる力が付きます。
遠近法を守り、リアルに描くことも大切ですが、個性を大切に育んで欲しいと思います。
自分自身の気持ちを大切にしたら、きっと中学だけでなく、長い人生をかけてきっと風景画を描くのが好きになってくれるんじゃないでしょうか?
美術を一人でも多くの人が好きになってくれたらいいな。
そして人生に色どりをもたらす存在になってくれたらいいなと思っています。
それでは「【中学生】風景画の描き方!美術部におすすめ!遠近法の描き方とは?」はここまで!最後まで読んでくださりありがとうございます!
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